通信業界で営業をされている方にお話をお聞きしました。

1. あなたの職種と仕事内容をお教え下さい。

携帯・通信業界の営業です。
全国各地のショップ、量販店で勤務するスタッフに対して接客の指導や、販売の指導を行います。

新人スタッフに対しては、数多く有る商品についてや、契約に関すること、或いは、個人情報の扱い方を徹底的に指導。ベテランスタッフに対しては、着実に確実に数字を獲得できるよう、打ち合わせを重ねていきます。勿論、一人一人のメンタル面のケアも欠かせません。

また、お客様からのクレーム処理は勿論、販売台数の実績を追いながら、東西南北を奔走するお仕事です。イベントを企画したり、イベントを行う場所の交渉や、そのイベントを実行する為の人員手配、販売員やMC、販促物の手配等も行います。

2. その仕事では、どのような相手が顧客となるのでしょうか？ビジネスモデルをお教え下さい。

一般的には、商品を求めて店舗にやってくるお客様が、我々の顧客となりますが、代理店の経営者や、量販店も顧客のうちに入ります。また、イベントを行う場合は、その場所を所有するオーナー様も顧客となります。

例えば、店舗にきたお客様に対する接客もとても大切なお仕事ですが、代理店の経営者や量販店とは、毎月販売会議などを行い、定められた目標台数を販売できなければ、撤退させられるということもありますし、イベントの場所を所有するオーナー様にも、自社製品を売り込み、出来るだけ安価でイベントを行う為の場所を貸して貰えるよう、交渉しなければなりません。
何れにせよ、関わる全ての人々が顧客と言っても過言ではありません。

3. なぜその仕事に就きたいと思われたのか、お教え下さい。

私の場合は、元々はショップスタッフ(販売員)からのスタートでした。
海外留学という夢が有ったので、派遣のアルバイトとして入社したのですが、その後、量販店でのスタッフを経験し、支社への直接雇用となりました。

その際に、今の営業という立場に就いたのですが、正直、自分で望んで就いた仕事では有りませんでした。この業界の営業とは、とても特殊で、それでいて花形なので、自分に務まるか不安でたまりませんでしたし、どんどん増えて行く仕事に辟易とし、疲弊し、毎日が目まぐるしく、必死でしたが、今では毎日がとても楽しく、沢山の人と関わりを持てる仕事なので、とても充実しています。

結果、この仕事に就いて良かったと心からそう思っています。

4. その仕事を行う上で、どのようなスキルが必要とされますか？また、そのスキルはどのようにして身につけられましたか？

求められるスキルとしては、とにかく臨機応変に対応できる機転の良さ。これが第一です。
店舗で販売員として頑張っているスタッフをフォローできるのは、我々営業のみです。
あらゆる問題に直面した時に、落ち込んでいる暇は有りません。

それから、PCを扱うスキルは有った方が良いですね。エクセル、ワード、パワーポイント、PDF。
これらの基本操作が出来れば問題有りませんが、報告書を作る上での文章作成能力、語彙力もとても重要です。

また、スキルとは別のお話になりますが、おせっかいなほど、人の面倒を見ることが好きなタイプ、几帳面なタイプは、この業界では非常に重宝され、実際にこの仕事に向いているかもしれません。
そればかりではなく、体力・メンタル面に自信のある方は、是非頑張って頂きたいですね。

5. その仕事をやっていて、大変なこと、苦労するのはどんな事でしょうか？

立て続けに自分の担当店舗でクレームが相次いだ時は、本当に大変ですね。
実際にこちら側の不手際で、お客様のご自宅まで菓子折りを手に謝罪に伺ったこともあります。何度伺っても会って頂けなかったり、そんなことも当たり前のようにあります。

また、急に仕事を休むスタッフ等の管理も非常に大変です。朝は比較的ゆっくり目の時間からの稼働になりますが、その分、帰りも遅いので、アフター５やアフター６は夢のまた夢ですが、実際、社内や店舗に拘束されている時間は非常に短く、自分のペースで仕事が出来、殆どが移動に移動を重ねるという感じなので、仕事に飽きるということはまず有りませんが、メンタル面、体力面共に日頃からしっかり鍛えておく必要が有ります。

また、休日でも店舗のスタッフから相談の電話が入ることも有るので、いくら自分のペースで仕事が出来るとはいえ、慣れるまでは非常に大変なお仕事かもしれません。

6. その仕事をやっていて良かったと思う時はどんな時でしょうか？やりがいを感じられるポイントをお教え下さい。

何と言ってもお給料日を迎えた日に、遣り甲斐を感じられます。
それはどんな職種でもそうですね。

しかし、それよりも大きな遣り甲斐を見いだせる瞬間が沢山有ります。
例えば、中々販売が上手くいかなかったスタッフが大きな成果をあげたとき、或いはお客様から満面の笑みでありがとうと言ってもらえたとき、イベントが成功を収めたとき、どんな場面でも自分の仕事の仕方、向き合い方で、大きく結果が変わってきます。

一生懸命取り組み、向き合った仕事が成功したとき、本当にこの仕事をしていて良かったと、心から実感することが出来ます。また、人を育て、人を持て成し、とにかく仕事と関わるお仕事なので、仕事後の飲み会も非常に楽しく、モチベーションを上げて行く為には欠かせません。

ここのところ、飲み会には参加しませんという新入社員が非常に多く見受けられますが、人と関わる機会に参加しない新入社員は、入社後、決して長くは続かずに辞めてしまっています。

7. この仕事に興味を持っている学生に、メッセージをお願い致します。

何事に於いても、完璧でなくてはならず、臨機応変にあらゆる対応が求められる難易度の高い職種になりますが、心から夢中になれる仕事だと、実際にこの仕事をしている私はそう思っています。

退屈なオフィスに縛られるよりも、人とコミュニケーションを取ることを精一杯楽しみながら、自分のさじ加減ひとつで変わる数字と奮闘するということが実に面白く、この仕事の醍醐味でもあります。

まだ業界を知らない人にとっては未知の世界かもしれませんが、それは何処に行ったって、何をしたって同じことです。

接客、契約、販売、営業、企画、事務、経理、人材育成。
3年後にはどんな仕事でもこなせるオールラウンドプレイヤーになっている自分を想像してみて下さい。
向かうところは敵なし、この仕事を経験して損は有りません。