• SWOT分析・活用のススメ〜企業分析・ES編〜【就職四季報プラスワン】

  • 本コラムは、東洋経済新報社が発行する会社情報誌『就職四季報』様から寄稿いただきました。

    SWOT分析で企業理解を深める――
    会社の課題と今後力を入れる事業一覧

    就職ナビには絶対に載っていない情報がマイナス情報だ。

    人間も何をとっても完璧という人はいないように、
    すべていいことずくめなどという会社はない。

    それぞれの会社に強みや弱みがあるからこそ、
    人間と同じように、他に学んだり競争したりすることで力を伸ばすことができる。

    深い企業研究は
    弱い部分の把握から

    人間もなかなか自分の弱い部分を
    認めたがらないように、
    会社も中にいる人間は案外、
    弱みを弱みと感じなくなっている
    部分もあるものだ。

    その部分を立て直すにはどんなことができるか、
    十分研究すれば、学生の視点でも十分役にたつ
    提言ができるだろう。

    「御社の高い技術力と…」といった画一的な
    志望動機は企業の人も聞き飽きている。

    会社の弱い部分や外部環境の脅威も十分理解したうえで、「自分が貢献できる」という
    志望動機や自己PRを作成すれば、「深い企業研究ができている」と一目おかれるはずだ。

    外部環境の変化にどう対応するか

    口当たりのよい情報ばかりでバランスを欠いた企業分析にならないよう、
    SWOT分析という手法も紹介しておきたい。

    SWOTとは、3C同様、英語の頭文字からとったもので

    S=strengths…会社のもつ「強み」
    W=weaknesses…会社のもつ「弱み」
    O=opportunities…外部環境の変化で生まれる「機会」
    T=threats…外部環境の変化に潜む「脅威」

    となる。

    ネットで検索してもそれなりの説明が出てくるし、
    本格的にSWOT分析をおこなえばMBAがとれるほどになるため、
    ここでの説明は割愛するが、SWOT分析は、
    「ネガティブな情報が気になるのでエントリーをしない」のが主目的ではない。

    それをどう克服しようとしているのか、
    変化に対応できる力をもっているのかを見極めて、
    エントリー企業を探すのが就活におけるSWOT分析の真の目的だろう。

    弱みを強みに転換できるか?

    以下に、『就職四季報』の「記者評価」から、会社の弱い部分である
    「課題」とそれに類する言葉があるものを拾い出し、
    「今後力を入れる事業」とともに並べてみた。

    会社が課題を課題として認識しているか、認識したうえで
    強い部分をますます伸ばそうとしているのか、
    弱い部分を克服したいと考えているかをみてみよう。

    「全事業」や「NA」などという判定不可能な回答もあるなか、
    たとえば出版取次大手のトーハンでは、書籍流通という逆風を受け、
    eコマース、さらには電子取次といった「電子化」に
    大きく舵を切ろうとしていることが、たった2項目で明確に読み取れる。

    回答から今後の戦略を読み取れない会社でも、
    まともな会社ならここが不明瞭な会社はないはずだ。
    調べてもよくわからない場合は、直接会社に聞いてみよう。

    SWOT分析は自己分析にも活用できる。

    エントリーシートを書くうえで、「自分の弱み、強みといった事実よりも、
    その弱点をどうやって克服したか、強みをどうして得ることができたのか、
    企業はその過程をみているのだ」といわれることがあるのではないだろうか。

    企業をみるときも全く同じことだ。

    単に「規模が大きい」、「利益が出ている」というだけでなく、
    企業の変遷ストーリーのほうが興味深いことだろう。

    自己分析と企業研究を同時並行で進めることで、
    会社の人に響くエントリーシートを仕上げてほしい。

    記者評価に今後の「課題」などを含む企業の例

    社名/業種 記者評価 今後力を入れる事業 総合版掲載ページ
    シャープ(株)/
    電機・事務機器
    AV、通信機器を中心とする大手電機メーカー。独自技術を有するデバイスを各種家電製品に展開する経営戦略に定評。筆頭は液晶事業。亀山、堺の工場で生産した高品質液晶を搭載した液晶テレビ「アクオス」は、国内でトップシェアを維持している。携帯電話も同様、自社製の高品質液晶を売りに後発参入ながら国内首位を獲得。今後は次世代エネルギーとして脚光を集める太陽電池事業を拡大させる戦略だ。課題は海外展開。技術力はあっても海外でのブランド力不足がネックとなり、苦戦を強いられている。 液晶、太陽電池、LED照明事業 114
    (株)三越伊勢丹/
    デパート
    伊勢丹と三越が08年4月に経営統合して発足した三越伊勢丹HD傘下。地方9店を分社化した三越と伊勢丹が11年4月に合併した国内最大の百貨店企業。ファッションの新宿伊勢丹と老舗の日本橋三越が双璧で、それぞれ売り上げ全国1、2位。10年9月にグループ初の大型プロジェクトとして増床開業した銀座三越には伊勢丹流を投入するなどシナジー追求鮮明。首都圏に比べ収益力弱い地方店へのテコ入れが課題。グループでは11年5月に開業したJR大阪三越伊勢丹の成否に注目。 百貨店業 157
    (株)東北新社/
    広告
    テレビCM制作最大手。映画やテレビ番組制作、「ファミリー劇場」など衛星放送のチャンネル運営、販促支援といったコンテンツ関連ビジネスを幅広く展開。「宇宙戦艦ヤマト」などキャラクタービジネスも。映画のテレビ使用権事業の収益性改善が目先の課題。 NA 187
    日本電子計算(株)/
    システム・ソフト
    JBISHD傘下。企業経営課題の解決に向けたコンサル、先進IT活用の業務システム提供、業務プロセスのアウトソーシング受託まで一貫。金融・証券・公共・産業が事業領域。顧客数は3500超と多いが、主力の証券業界のシステム投資後退で逆風。 パッケージ・ASPサービス事業 証券分野 244
    (株)東邦システムサイエンス/
    システム・ソフト
    旧東邦生命傘下から独立したソフトウエア開発中堅。顧客の8割超は金融・保険業界。日本ユニシス、富士通、野村総研などと連携。売上高100億円目標にM&Aを模索。金融偏重を脱することが課題で、旅行業者や電力向けなど強化。Java等技術水準高い。 金融分野及び通信分野のシステム開発 262
    (株)トーハン/
    商社・卸売業
    半世紀超の歴史刻む出版取次最大手の1つ。書籍流通逆風だが、培った物流・情報機能活かす。桶川市の書籍専用SCMセンターで発送・返本処理効率化進む。電子書籍販売も展開。オンライン書店「e-hon」に注力。洋書大手の日本出版貿易と資本提携、21%強出資。 EC事業 商品開発 電子取次 読書支援 285
    (株)内田洋行/
    商社・卸売業
    オフィス家具、学校教材・システム、中小企業や自治体向け情報システムが3本柱。オフィス家具はITとの融合提案を推進中。教材もIT活用で差別化。中韓台など東アジアを積極開拓。ロングセラー「マジックインキ」の生みの親でもある。営業力強化が課題。 ユビキタス・プレイス 304
    ウライ(株)/
    商社・卸売業
    1946年創業、本社京都市。売上高の約6割を占めるきものは、商品開発から生産・販売までのトータル提案に強みだが市場縮小への対応が課題。近年はジュエリー、毛皮、レザー、高級ハンドバッグなど好採算の非きもの分野に注力、成果も出ている。 全事業部 305
    (株)新生銀行/
    銀行
    個人、法人、金融市場部門の3本柱。10年に就任した当麻新社長の下で組織再編や業務効率化を推進。ノンコア資産売却や与信費用、経費削減進むが、本業の収益向上が課題。銀行本体で「レイク」ブランド使った個人向け無担保ローンを開始。公的資金残る。 国内法人向けビジネス リテールビジネス コンシューマー・コマーシャルファイナンス 309
    (株)千葉興業銀行/
    銀行
    千葉県地盤の地銀。営業力強化に向け、地区法人営業部の増設や人員を拡充。10年から従来のエリア営業推進体制から事業性貸出や個人ローン向けなどグループ別の新体制へ。地権者、富裕層の顧客開拓も重点。00年9月に導入した600億円の公的資金返済が経営課題。 地域に根ざした金融サービス 318
    (株)山陰合同銀行/
    銀行
    本店は島根県松江、91年に鳥取県のふそう銀行を合併し、両県を地盤に。山陽側(広島、岡山、兵庫)にも店舗を展開。自己資本比率は17.13%と地銀随一の好財務だが、地元の資金需要回復が課題か。医療・介護分野の融資増強に重点。個人ローン拡充にも注力。 投資銀行業務 334
    (株)セディナ/
    信販・カード・リース
    三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)傘下。旧ダイエー系のOMCカード、旧東海銀行系のセントラルファイナンスとクオークが09年4月合併して誕生。11年5月SMFGがTOBなどで完全子会社化、上場廃止。三井住友カードとの合併も俎上に。貸金業法改正の逆風打開を模索。 カード事業 信販事業 ソリューション事業 362
    NEC/
    電機・事務機器
    通信、ITインフラから端末機器まで手広い。巨額赤字計上した半導体を持分化。携帯はカシオと、PCは中国・レノボとの合弁に移管。基地局間通信設備で世界首位だが海外強化が課題。自宅勤務を全社で導入、労働環境に配慮。社風は穏やかで愛社精神が強い。 IT・ネットワーク統合ソリューション事業 367
    日本ケミコン(株)/
    電子部品・デバイス
    アルミ電解コンデンサで世界1位。材料であるアルミ箔の製造、外販も新潟、高萩の2拠点で行う。国内生産比率が高く、為替変動に影響されやすい点が課題。産業機器向けに高付加価値の導電性高分子タイプの拡販に注力。新エネルギー分野に注力。 環境 デジタル家電 自動車 他 390
    (株)日立国際電気/
    電子部品・デバイス
    日立系。2000年に国際電気、日立電子、八木アンテナが合併して発足。通信情報、放送映像システム、半導体製造装置の3本柱。収益源は半導体装置で成膜分野では世界有数。09年に日立製作所が出資比率引き上げ子会社化。通信、映像は内需依存で海外展開が課題。 無線通信機器 放送映像機器 半導体製造装置 409
    トピー工業(株)/
    自動車部品
    新日鉄系。トラックのホイールと建設機械向け足回り部品で国内首位。電炉で生産した鋼板を外部に販売するだけでなく、建機用部品に使うなど、一貫生産に特徴。建機需要が旺盛な中国での事業強化が課題に。多角化策として、LEDや災害救助ロボットも展開。 素材から製品までの一貫生産体制を一層強化 426
    曙ブレーキ工業(株)/
    自動車部品
    新車装着ブレーキパッドで有力。15年世界シェア3割を狙う。日系全メーカー、米ビッグ3、アウディやVW、オペルなど販売先広範。北米、中国、タイ、インドネシア、欧州へ展開。大手ボッシュから事業譲渡受けた北米の黒字化が課題。現在、部品工業会の会長会社。 欧州市場拡大 海外事業拡大 439
    (株)リケン/
    自動車部品
    戦前の理化学研究所の発明品から出発。エンジンピストンリングが主力で、カムシャフトやシールリングも手掛ける。リングは競合相手が少なく、国内1位、世界3位と高いシェアを誇る。新潟、埼玉に製造拠点を持つ。新興国展開の強化策が課題。実直な社風。 自動車部品事業 445
    日立建機(株)/
    機械
    海外との技術提携なしに油圧ショベルを独自開発。日立グループの優等生だが独立色強い。インドではタタ財閥との合弁を子会社化し首位に立った。米国では大手のジョン・ディアと組む。ただ最大市場の中国ではコマツ等に遅れ。資源採掘用の大型建機強化も課題。 海外 レンタル 再生部品 他 451
    日本精工(株)/
    機械
    ベアリング業界の先駆者で国内最大手。電動パワステなど自動車部品や液晶露光装置も手掛ける。産業機械向けは風力発電・鉄道車両用など環境・インフラ関連製品も多い。海外展開積極的で、中国事業を拡大中。産業機械部門の売上高比率向上が中期的課題。 軸受 自動車関連製品(特に電動パワーステアリング) 精機製品 457
    エスビー食品(株)/
    食品・水産
    スパイスはシェア5割超で首位、即席カレーは同3割で2位。競合のハウス食品は大量の広告宣伝費を使うが、同社は地味ながら着実に売り上げを伸ばす。ルウ市場は飽和状態で、生ハーブやスパイスの浸透に力を入れている。同業他社と比べ海外展開には出遅れ。 スパイス・ハーブ事業 489
    キユーピー(株)/
    食品・水産
    マヨネーズなどの卵関連分野を中核事業に据えて、卵とサラダ、介護食など周辺分野も育成中。他の大手調味料メーカーに比べ海外展開は出遅れたが、中国、タイに続き10年にマレーシア工場竣工、ベトナム現地法人設立と東アジアへの展開を積極推進。業績は安定的。 健康機能事業 海外事業(東アジア地区) 490
    科研製薬(株)/
    医薬品
    旧理研コンツェルンの流れをくむ名門。整形外科領域に強み。高齢者人口の増加を背景に、主力の関節機能改善剤「アルツ」の売り上げ増続く。創傷治療促進剤、手術時癒着防止材も成長。ここ数年は後発医薬品も拡大。新薬開発品目の充実が最大の課題。 医療用医薬品事業 518
    DIC(株)/
    化学
    インキは国内2位だが、米国サンケミカル社買収など積極的なM&Aで世界首位に。規模の拡大に成功したが、反面財務内容改善が課題に。インキの他、工業資材、自動車、電子部品など関連分野は多岐にわたる。リーマンショック後の世界的な事業構造改革がほぼ完了。 情報関連素材 環境対応型製品 547
    住友大阪セメント(株)/
    ガラス・土石
    セメントの国内シェア20%弱。2010年、国内設備の改造で生産能力の20%削減を実施。今後も生産能力削減進め効率化。海外進出は太平洋セメントに比べ、出遅れていたが、中国など海外展開に本腰。石灰石や光通信部品、電子用セラミックスを育成。 新素材 光通信 環境リサイクル 556
    日立金属(株)/
    鉄鋼
    日立製作所の子会社だが独自色強い。特殊鋼、電子材料など首位品、オンリーワン品を多彩に展開。複数特許保有し世界首位のネオジム磁石はレアアースの調達課題だがエコカーなどで需要強い。自動車、IT、インフラ向けを軸に開発の環境対応製品も伸長。 環境・エネルギー分野 567
    日立電線(株)/
    非鉄
    1918年に稼働した日立製作所の銅線工場が発祥、56年独立。電力用、産業用電線に強い。海底ケーブルは世界でも大手。液晶用フィルム撤退などリーマンショックで顕在化した低収益体質の改善を続行中。出遅れた海外展開を強化、海外勤務の機会は比較的多い。 情報インフラ エネルギー産業インフラ関連/

    570
    (株)フルヤ金属/
    非鉄
    イリジウムやルテニウムなどプラチナ属メタルの製造・加工専業。人工宝石用ルツボやHDD用ターゲット材が主力。業績はデジタル家電の需要動向に左右される。リサイクル事業に注力中。筆頭株主の三菱商事と原料調達で連携を強化。有利子負債の削減が課題。 イリジウム・ルテニウム事業 574
    前田建設工業(株)/
    建設
    準大手の一角で同族色。海外工事は香港に強い。ダムなど大型土木や、高層ビル建築など実績豊富。前田道路や海上土木の東洋建設を経営支援したのち、自主性を重んじてきたつけで、連携強化に課題を残す。飯田橋の本社を含む周辺再開発を三井不動産などと開始。 海外事業 591
    日本道路(株)/
    建設
    道路舗装大手の一角。清水建設系。高速道路整備をテコに拡大。リース、不動産など多角化進めるが、貢献は限定的。道路整備事業縮減で、民間資金や人材を活用した公共工事(PFI)や民間小口工事の開拓を強化。タイ、マレーシア拠点通じた海外事業も課題。 PFI開拓強化 海外事業拡大 602
    世紀東急工業(株)/
    建設
    1982年に世紀建設が東急道路と合併し、東急グループ入り。ゴルフ場開発など不採算事業が響き財務悪化。ファンド主導の経営立て直しを受け入れた際に発行した優先株償還が重荷となり、内外で思い切った投資が行えない。技術力活かした提案営業で負債圧縮が課題。 特殊舗装新技術 603
    (株)サークルKサンクス/
    コンビニ
    業界4位。中京地盤のサークルKと首都圏地盤のサンクスが01年に持株会社のもとに経営統合後、04年に合併。親会社はユニーで伊藤忠商事と提携。デザート、ファストフードなど独自商品の開発強化。サンクス富山がローソンに看板替え。FC店との契約継続が課題。 コンビニエンスストア 643
    原信ナルスホールディングス(株)/
    スーパー
    06年春、長岡地盤の原信と上越のナルスが経営統合して設立した持株会社。レジでの袋詰めなど独自サービスに特徴。パート社員の有効活用に定評。県内食品販売の約20%を占める。2カ所の物流施設の稼働で効率化。長野、富山でのドミナント形成が課題。 SSM業態の深耕 650
    東京日産自動車販売(株)/
    その他小売業
    親会社は東証1部上場の持株会社・日産東京販売ホールディングス。11年春東京地区の販売再編で個人向けに特化。新車拠点35。店舗リストラ一巡、グループで間接部門削減やノウハウ共有推進。独自のクレジット販売に特徴。エコカー減税終了後の販売強化が課題。 新車、中古車販売事業 リース事業 サービス事業 680
    (株)ゲオ/
    その他小売業
    中部圏を地盤に店舗網を全国に拡大。「旧作100円」キャンペーンで業界首位TSUTAYAからのシェア奪取推進中。関東のレンタルチェーン「ウェアハウス」を買収するなど積極的なM&Aを推進。ただ不祥事が多発しており社内管理体制の強化が課題に。 現業の整備・拡充 新規事業(古着等) 684
    (株)ラウンドワン/
    レジャー
    ボウリング、ゲーム、カラオケなどの複合大型遊戯施設で成長。都市部の大型店に加え郊外型の複合店も展開。ただ過大な有利子負債の圧縮が課題で、保有店を賃借化し、新店は大型SCなどに限定。「アフター4」需要も取り込み、4月からの来場者は堅調。 海外事業 708
    ワタベウェディング(株)/
    その他サービス
    京都発祥。国内は全国で挙式サービスを提供、傘下に「目黒雅叙園」。08年譲受の「メルパルク」の改革遅れが足引く。海外挙式の先駆で、ハワイからミクロネシア、中国など15カ国で挙式サービス提供。東アジアの地元婚礼、アジア中心に外国人顧客の開拓を積極化。 挙式サービス事業(国内・海外) 747

    SWOT分析の結果をESに盛り込む――ビジネス誌を活用しよう

    外部環境をどう生かすかで、強みは一転して弱みに変わるし、
    弱みとみられたことが強みに転じることもある。

    最近の好例が、米イーストマン・コダックと富士フイルムだろう。

    写真フィルムの衰退という外部環境(T=脅威)に対して、
    世界で圧倒的なトップシェアを誇ったコダックは、
    写真フィルムからなかなか脱却できず破産に追い込まれた。

    これに対し、富士フイルムはBtoBビジネスへの移行と、
    培ったフィルムの基礎技術を生かした新分野への参入(O=機会)で構造改革を果たした。

    もっとも、富士フイルムの復調は事業構造の転換だけで成し遂げられたわけではなく、
    大規模な人員削減も必要だった。

    さらに、他社も同じだが、円高、欧州不安などさまざまな逆風は続いている。

    ビジネス誌にある具体例をESに盛り込もう

    こうした外部環境の変化に対応した企業戦略を日々追っているのがビジネス誌だ。
    SWOT分析からエントリーシート(ES)を仕上げるのにこれを使わない手はない。

    「東洋経済オンライン」で「富士フイルム」と検索するだけで、
    これだけの記事が出てくる。

    多角化、リストラといった戦略レポートに加え、
    直近ではオリンパスとの提携という新たな「機会」(O)も出てきていることが見てとれる。

    記述は数字を盛り込んで具体的に

    ビジネス誌には
    「裏づけとなる数字がふんだんに使われている」ことも
    ESに使える大きな要因だ。

    ESに「御社は大胆な事業構造改革を推し進め…」とだけ書くよりも、

    「2000年に売上比率54%を占めたイメージング事業を10年間で15%に縮小、
    代わって液晶フィルムや医療用画像などインフォメーション事業と
    ドキュメント事業を両軸に…」

    と書いたほうがずっと具体的だ。

    未上場の中小企業などで、直接その会社の記事が見つからない場合でも、
    同業であれば必ず同じような外部環境を受けている。
    また、取引先にはどこかに大手企業があるはずだ。

    外部環境や取引先の戦略の変化に、その企業がどう対応したのか。
    こうした質問をOB訪問などでぶつけてみよう。

    就活でSWOT分析を利用しようというこんなサイトもある(就職SWOThttp://swot.jp/)。

    ビジネス誌や新聞など信頼のおける情報ソースを使い、
    いまのうちに自分の力でSWOT分析を1社きっちりやってみよう。

    最初は大変だが、1社できれば、次の1社は勘どころがつかめてぐんとラクになる。
    ESはもちろん、面接でも困ることはないはずだ。

    就職四季報とは?

    東洋経済新報社が発行する『就職四季報』は、
    6000社の企業情報が掲載される、会社研究本です。

    自分の手で会社を探し、自分に合った会社に入るためには、

    【1】「有名企業だけが優良企業ではない」ということがわかる
    【2】会社のマイナス面や厳しさがわかる
    【3】自分が会社選びで何を重視するのかがわかる

    という3つの「わかる」が重要であると考え、
    掲載会社からの掲載料を一切受けず中立・客観的な就活データを提供しています。

    『就職四季報』を使い倒すための公式サイト「就職四季報プラスワン」

    http://www.toyokeizai.net/spc/shushoku/

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